インド、マレーシア、フィリピン留学のススメ
語学留学なら、先進国よりも新興国へ行くのがお薦めだ。費用も安い上、新興国(ノンネイティブ国)ならではのメリットもある。
先進国への留学 vs 新興国への留学
生活コスト
- 不特定多数の人から、世界各国の消費財価格を収集しているサイト「Numbeo」のデータによると、ニューヨーク市の生活費を100とした場合の各国の生活費は以下の通りだ。現地の人が普通に生活してかかる費用の目安と言うことなので、生活水準が同じという意味での比較はできない。新興国でも、先進国と同等の生活水準を求めれば、それなりにコストは高くなるので、あくまで目安と言うことで見て欲しい。
1位はスイス、外食費が高め、住居費は安めになっていることが分かる。購買力がかなり高い。
英語圏で見ると、オーストラリアが5位で最高。こちらもニューヨーク市に比べて物価などは安くなっているが、購買力は5割増しだ。
新興国では、シンガポールが7位に入っている。外食をした際の費用はニューヨークの6割程度だが、全体的な生活費はニューヨーク市に比べても80-90%で大きくは変わらない。
日本は22位。住居費込の消費者物価指数、外食費が低くなっている。
英語圏の新興国を見ていくと、順位が大きく下がり、南アフリカが88位、マレーシアが94位、フィリピンが108位、インドが125位となっている。大まかな目安だが、ニューヨーク市での生活コストに比べ、南アフリカやフィリピンでは40%程度、マレーシアで35%程度、インドで25%程度の生活コストになっている。
順位 | 国 | 消費物価指数(住居費別) | 消費物価指数(住居費込) | 食料雑貨類 | 外食 | 購買力 |
1 | スイス | 124.51 | 88.82 | 114.81 | 137.82 | 210 |
2 | ノルウェー | 109.3 | 74.17 | 95.9 | 136.81 | 139.78 |
3 | アイスランド | 95.41 | 61.57 | 88.13 | 113.07 | 111.09 |
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5 | オーストラリア | 89.5 | 63.58 | 82 | 87 | 157.97 |
7 | シンガポール | 88.12 | 79.52 | 74.3 | 59.45 | 117.65 |
8 | イギリス | 86.68 | 59.56 | 75.1 | 96.69 | 133.64 |
13 | ニュージーランド | 79.84 | 52.75 | 75.12 | 81.64 | 118.84 |
14 | アイルランド | 79.71 | 55.7 | 69.99 | 86.08 | 137.6 |
15 | 韓国 | 77.8 | 55.52 | 91.47 | 48.9 | 138.27 |
22 | 日本 | 74.29 | 49.89 | 73.76 | 50.27 | 135.77 |
24 | カナダ | 73.53 | 49.78 | 74.08 | 74.13 | 143.94 |
25 | アメリカ | 73.38 | 52.01 | 76.22 | 69.17 | 156.46 |
38 | マルタ | 61.79 | 38.98 | 50.25 | 72 | 100.05 |
75 | 中国 | 46.83 | 32.96 | 47.95 | 34.48 | 86.93 |
86 | 南アフリカ | 43.5 | 28.77 | 36.89 | 42.81 | 142.4 |
94 | マレーシア | 41.72 | 25.51 | 40.59 | 24.59 | 103.75 |
108 | フィリピン | 36.05 | 20.67 | 36.78 | 21.31 | 50.32 |
125 | インド | 24.85 | 14.87 | 26.36 | 16.43 | 99.29 |
学費
- 学校、コース、授業時間数によりまちまちなのは言うまでもないが、参考まで、世界各国に語学プログラムを展開しているELSランゲージセンターの料金を比較してみる。
English for Academic Purpose コース 24週間の料金
アメリカ | US$9,666 | 約120万円 |
カナダ | C$7,701 | 約73万円 |
オーストラリア | A$9,680 | 約86万円 |
マレーシア | RM14,310 | 約42万円 |
インド | INR27,9000 | 約59万円 |
ELSは各国とも、それなりの料金設定で良質なプログラムを提供している学校なので、他校と比べると、全体的に高めの料金だが、国別の授業料の比較と言うことでは、マレーシアが最も安くなっている。
語学は新興国(インド、マレーシア、フィリピン)で学ぼう
上記の通り、新興国への留学は先進国への留学に比べ、費用が圧倒的に安い。お隣の韓国等では、お決まりのパターンだが、アメリカやイギリス、オーストラリアなどの大学や専門学校への留学を希望しているのなら、ますは、新興国で語学(英語)を習得する方法がお薦めだ。
更に、マレーシアやインドには、学位取得コースの前半を新興国で学び、後半をアメリカ、イギリス、オーストラリアなどの先進国で学ぶプログラムもある。最終的に先進国の大学の卒業資格を得、費用は新興国レベルの費用で済ますことができる。
訛り
- 新興国の英語に訛りは付き物だ。ヒングリッシュ(インド)、シングリッシュ(シンガポール)など、名称までつけられているケースもある。しかし、訛りはどこの土地でもある。日本の英語教育はアメリカの西海岸の発音を手本にしているケースが多いらしいが、アメリカ南部や中西部の方に行けば、日本の関西弁や東北弁と同じように訛りがあるし、オーストラリアやイギリスでは、言い方や、単語の意味も変わってくる。
- また、留学先の発音が身についてしまうのではないかと心配する人もいるが、関東出身の人が関西に数年滞在しても、関西弁が身についてしまうわけでもないように、留学先の訛りが身についてしまうと言うことは無い。日本語の達者な中国人が中国語訛り出会ったり、韓国人が韓国訛りであるように、よほど意識しない限り、日本語訛りの英語になってしまう。
英語ネイティブで無い国で英語を学ぶということ
英語の教師を目指すような場合は、英語ネイティブの国で、ネイティブの発音を学ぶべきかもしれない。日本の学校で教えるのであれば、やはり、ネイティブの発音を知っておく必要がある。
一方、ビジネスなどで実践的に英語を使おうと言うのであれば、むしろネイティブ以外の国で学ぶ方が良いかもしれない。ビジネスの現場で英語でコミュニケーションをとる必要がある場合、相手がノンネイティブであるシチュエーションは多い。(相手がネイティブならむしろ通訳を立てる必要があるかもしれない)ノンネイティブの国で英語を学び、ノンネイティブの人達とのコミュニケーションの訓練をすることも、貴重な語学研修と言える。
また、ノンネイティブ圏の教師は、英語を母語ではなく、後天的に学んだ人であり、英語を学ぶポイントや、英語に躓くところを知っている。わからないところが、なぜわからないのか、自分にも経験のあることだからこその教え方を知っている。